心感デッサン
心感デッサン
2020.10.18
病床に 横たわり
途切れた 息吹 よ
指先 ひとつ 動かずに
血漿 が 吸い奪われ
殺伐 脳内が
拡散 されて往く
虚ろな 眼は
何を 視やふとも
求めては 霞み
身体 尚 這いつく張り
(まだ、わたくしは、生きているか)
時は 色彩を 変へ
無機物 な わたくしを 於いて
どんどん すり抜け
進んで 行くのだ
何時かの わたくしなら
其の 変幻に 身を 委ね
ふわふわ 足など 浮かせ
心 震わす 同化を 喜び
噎せ返る 程の
纏わり付く 熱気 から
学者のやふな 研究 を
自然 から 得たり
『生』を 吸われて往く
空風 の 中から
其でも 耐え抜く
再び 新しき 『命』 を 感じ
全身で 心 交ぜ 溶かし
呼吸を していた
巡り行く 季節 が
今や 朧気 に
透明な わたくしを
悲しく 寂しく 想ふて いる事だらふ
『何故、お前は、不甲斐なき物 に、成り下がったのだ』
今の わたくしは
起き上がる 事すら 辛い身
然し まだ
此の 目の前には
カサカサ 鳴る
黄 の 音 や
烏 が 啄む
悄気た 斑の 柿の実達
北風に 堪え忍び
枝に しがみつく 一枚 の 葉 の 心象 までも
わたくしを 包んでいるのが
しっかりと 感じとれるのです…
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