心感デッサン
心感デッサン
2019.11.10(2020.11.9)リメイク版
-鮮月-
わたくしと 一対一 黄金色 の 真円は
今、此処に 逃げずと 立ちはだかった
濁りし煙 くすんだ闇
傷を負ふた 破片
見透かすがいい
何処へも 隠れはしなひ
湧き出づる 清き泉 よ
近頃 いづこへ
我が 脈々と 流るる 血管に
見当たらぬ
あの ビル群に 虜に された
初々しい程の 夕暮れよ
わたくしの ベクトルが
不整脈を 起こす
母は 『汚らわしい』と 云ひ
其の 不条理を
血縁 保てど 理解されず
わたくしの 歪みは
一層 輝きを 増す
いつも ナイフは
己に 向けてきた
閉口すれば 殻に籠れど
何もかも 忘れ過ぎると
錯覚すら 覚えて
さふやって 生きてきた
恐らく 此れからも…
-霞月-
bpm116…126…133…
わたくしの 心の臓よ
いつまで 耐えられる
ご用済みの 悲しい 塵取り
動かなくなった ぼろぼろの 掃除機
皆、皆、棄てられるのだ
春の日射しは 9年前に
忘れ形見の 身と 成りにけり
体内の汁は 白く 縁取り 干からびて
ひとくさり
其は 此処に 屍 ひとつ
何故 月よ
我が身を 雲へと 包まん
其より 悲しき事は
わたくしの 溢るる涙 を
唇 噛み締めて
只々 こらえる事である
レースの カーテンが
穏やかな 日溜まりを まとひ
ゆらゆら ふわふわ
波打つのを
自然の 営み として
心許し 委ねた 日々
まあるく 穏やかな 瞼 閉じて
いつか わたくしの 形跡も
化石化 されるだらふ
発掘した時 には 既に
息絶えているはずだ
皆に送らふ
遠吠え 負け犬の
決死の 叫びを
皆で歌おふ 途切れて 儚い
此の 世界の真理
悲劇 と 神秘を
貴方に捧ぐ わたくしの
魂の声 を
『万人よ 芸術よ 詩人よ
死しても 尚、永遠に 響け…』
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