心感デッサン

心感デッサン
2020.12.24
 
"我 人生 鞘(さやばね) 持たぬ
  甲殻虫 で 在る"

季節の 終焉に 散り往く
 無垢な 命 を

母神は 愛おしく 微笑み
 澄んだ 両手に 救ひ

朝日の 艶やかな 光に
 満ち溢れた 処へ 連れて往く

『人』とは
 わたくしにとって

表裏一体 何よりも
 恐ろしき者であらふ

怯へながら 甲殻を 纏(まと)ひ
 荒波に のまれ 泡を 吐く

『わたくしは、人 の 邪心に 喰われ
  殺される』

其でも 尚
 "人" に 此の身を 尽くす事は

きっと 神様が 己に 示した
 善 の 心 で あらふ

冷へた 指先すら
 温められなひ か弱き 者が

暗がり 疑心の 眼で
 自然世界を 見るならば

一層のこと 我 魂の緒ぞ 切れ
 深く 深く 眠ってしまへば良ひ

大分と 北風は
 あんなに 壮大な 木々の

生命を 吸ひとって
 棒っきれ 丸裸に しせむ

今や 変わらぬのは
 湧き出でる 神水 のみ

ヒヨドリは 何度も 発光し
 行ったり来たり 朱ひ 南天を 啄(ついば)み

人間は そう 在らねども
 わたくしは 自然から

ほんたふ の 善悪 邪心無き
 天が 標した 路を

全ふに 歩む 其こそが
 "人" と して 産まれた故の 到達地点 で ある

不安定な 深呼吸を 憐れみ
 
夕空 一等星 が 銀点
 ゆらゆら 昇って往く

其は まるで 煌めく
 ひとつ の いのち が
天へと 召される 姿 であるのに
 
 屈託無き 本当の 事象で

わたくしは 誠 を 視たのだ   
  
      
 
 
 
  
 
 
   
      
 

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