心感デッサン

『崩壊』

耳にブブンと蜂の羽音

 命奪わず去っていった寒い陽射し

まつ毛キラキラ秋の溜め息

 そうか わたくしは崩壊したのだ

綿を被った小悪魔がフワリふわり

 寒い冬に足を掬われ 此いづこ

駅の窓からこんなにも美しい夕暮れ

 ああ わたくしは崩壊したのだ

肺を痛め胃を噛まれ腸を捻られ尚

 この美しい故郷を今日離れる

寒々としているのにこんなにも暖かい

 そうだ わたくしは崩壊したのだ

悪魔の手が首に噛みつくので

 マフラーを巻いてみた 独り

周りはざわざわしているのにポツリ

 どうだ わたくしは崩壊したのだ

崩壊 … したのだ …   

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