心感デッサン
心感デッサン
『心去増減』
ほの暗い闇夜の中に 外灯は間隔を開け チカチカきらびやかに点滅し
漆黒 白い息は灯りに照らされ ふわりと現れては消え 季節に逆らい
何処から群がる 其の小さな
新種の儚い生命を宿す各々な虫達
光へ 更に光へと 羽ばたき ぶつかっては星屑の様にパラパラ落ちていく
とてつもなく不動な心情と また到って凛とした冷静な心情が
何度も私を固い鈍器でへこむまで殴り付け 眼を醒ませ と言うのだ
まだ性別も分からない頃 私は薄碧い夜空に チチチチッと 目覚め飛び交うコウモリに
ふと 瞳奪われ オレンジに装飾された木が天にそびえるのを見て
また其を余りに美しい『美』として ハラハラ涙を溢す心があった
まだ 夕暮れ 人気の無くなった公園の高台にひとり
駆け上がっては 遠くの黒い山々を見て天を仰ぎ詞葉を巡らせて
目に薄いシーツを被される前までは 私はこの澄んだ世界を見渡し 芸術を薪と燃やし
未熟だったが 命に色が着いていて其処には花弁が無限に突風に舞い乱舞していた
今は何もかもほとばしるものをそぎ落とし 1滴の小さな水の滴るが如く
只静かに 静かにゆっくりと聖杯の波が私を押すだけになった
そしてまた冬は開け 霜柱が黒い土を押し上げる頃
フキノトウの尊い新緑が
静かに命を吹き替えし 目覚めるのだ 春の一律…
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