心感デッサン

心感デッサン
『春開』
あの向こうの遠くにそびえる雲の山谷 あの鳥より遥か
 飛び越えていける気がした春

斜め上では雲の柱が
 誰が速いかと追いかけっこだ 

小さなオオイヌノフグリが
 足元で笑っていた可愛い光の粒達

春風が遊ぶ コロコロ転げて
 私のコートや髪に絡まり
吹き上げてはまた降ろし遊んでいる

やっと対面できたコロナ
 白く橙にギラギラの中に

影を着けた黒雲がぐるぐる
まあるいぼやけた
鋭い陽に踊る めまぐるしく激しく踊る

『電線にひとつはためく白い布切れ』

『ふつうの仔犬の大きなあくび』
 
『一本だけ傾いた電柱』

キラキラさんざめく小さな春の息吹に集う 沢山のムクドリの群れ

ちょこちょこ ちょこちょこ
 沸いた虫達を夢中でついばんでいる

其の尾羽は黄金にキラリ光って ブクブク心地好く沈んでいく

そう、空は海の波が寄っては引き 
海底の街並みはゆらゆら揺らめき

羽虫は絶え間なく歓喜を讃えて
眼にも口にも鼻にも入ってくる

草木はこんなにも生きていたのか 鳥はこんなにも生きていたのか
 
風は空はこんなにも生きていたのか 小石さえ生きているのだ

放浪カエルが鳴いた
 春がやっと来たと鳴いた

宇宙も空も繋がっては離れ
 頭の上に落っこちた

やっとホッとして深呼吸出来る
 コーヒーが全てを壊しても
  幻はこの中に存在し続ける   

art chacrol and peam gllary

絵も詩も芸術の全てとして向かいます

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