2019.5.22 心感デッサン

2019.5.22

水が斜めから上がってきた
 身体中びっしょりで
この季節 ガタガタ震えていた
 
億万の虫柱も吹っ飛ぶ雨風
草も茎も右へ左へ振り回され折られたのだ 

何もかもが空に吸い込まれて
 ぼろぼろになって棄てられた
傘からは
 
その持ち主の ぶつけようもない怒りと憎しみを放っている 

不要になった無惨な姿
独りぼっち 独りぼっち

そんな豪雨も知らぬ間に去った
 メチャクチャになったいつもの風景
 
葉っぱは落ち 枝も折れた 草達もひん曲がっていた

しかし三つ葉の緑には小さな玉の雫が無数にキラキラ光り
 
今まで咲いていなかった花が鮮やかに息を吹き返し
 
穏やかな水溜まりには 明日の空と町並みが映し出され

大変な思いをする者の傍ら
 恩恵を受けた者達の息吹きの
生き生きとした様子があった

 何処へ逃げていたであろう
億万の虫柱がまた現れ 歓喜の舞を踊る

茶色の濁流は後から後から白波を立て
 中洲も呑み込んだ

行き場を失った白鷺が
 まだくすんだ空にキラリ白の中の白金を煌めかせて目を眩ませる

私は何を見、何を感じ、何を思うのであろう
 
屈強にも負けぬ咲き乱れた目覚めた小さな花たちか
 
誰もが通りすぎる
小さな生命の秘めたる力強さか

明日には夏を知らせる照りつける太陽が待っている

私は汗をかきながら
せわしくせわしく歩く生き物

ふと止まってみると
いつの間にか詞が溢れかえっていた

ほんとうは 自然と並行しながら 小さな見失いそうなメッセージを

常に拾い集める感覚に
 さい悩ませながら困惑して

心の中は豪雨にも負けぬ嵐が
 吹き乱れて涙ばかり拭っていた

そんな中に想いを開いたのが
 黒く固い道端にけなげに
息吹いた小さな黄色の花だった

お前さん、そんな処に花開き
 誰にも踏まれない様に
私の中にいつまでも咲き続けておくれ

また明日私はこの道を通るから
またいつもの笑顔で私を迎えておくれ
必ず明日逢おう その時まで待ってておくれ

小さな命よ可憐な命よ力強く
 踏まれても踏まれても尚

光と共にあらんことを… 

art chacrol and peam gllary

絵も詩も芸術の全てとして向かいます

0コメント

  • 1000 / 1000