心感デッサン
2019.7.2
柄杓星が静かな酔いに吸い込まれた
雫がポツリ ポツリと
足音を停める間際でやってくる
異臭がして あの仔猫は
土に半分返るのだ
沢山の虫が出迎え 尻尾は只の
ボサボサの毛だけになって
哭いて吠える 私の人生は如何に
何処へ向かえばいいのか
ケホン ケホンと咳をしつつ
路頭に迷うと
其処には
何の屈託もない 季節に惑わされない 紫陽花が
赤や紫 青と 悠々やっている
海亀を見たかい 自然の掟
血だらけになって
命掛けで故郷に戻ろうとする
何もすがる事のない屈託な…
神様はいるだろう 誰の心象も
しっかり見ていて判別する
前世からの罪の償い
私は今狩り入れ時なのかと
神様に訪う 他に誰に訪おうものか
もう鴨の欠片もない
只の水路になって
ちょろちょろ清水を編み込みにして
濃い深緑の綿をゆらゆら揺らすのみ
最近思ったことがある
運命は変わる 宿命は変わらない
神様の掟だと
では私は何処へ流るる
この海綿の如く変わらぬままか
または新たな岩礁を探しに
旅へ出られるのか
あの方は途中で息絶えた
しかし信念は曲げなかった
私はどうだろう?魔物の口が
大きく開けば 入り口さえ切り抜ける
燕が低空飛行して 命を飲み込む
うっとうしいと思いながらも
私は蝿一匹見逃して
汗をだくだく垂らし
何にも残らない地平を這う
このままで終わるのか?
いや、私はまだ呼吸している
空に一直線のオレンジが
私の歩幅を軽くするから
朽ちてなるものか
朽ちてなるものか
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