心感デッサン
2019.8.11
私と天の広大なパノラマの
測れる距離の隙間を
夜風がサラリ撫でたので
淡い優しい月光と
一対一で対話したのだ
学者が割り出した数値を超えて
淡黄色に向かって手を伸ばした
其処には光が宿って
私の指先が半透明に変わった
電線黒く 時折 話題をさえぎるけれど
何も見えず平和な
こんな晩は 裸足がいい
微粒子のシャワーが心地良くて
足が地から離れた錯覚を覚えた
あのもくもくの気配が 雷雲だよ
一方の道筋を 同じ世界で
舐め合って 残り火
ひとつになると約束しなくても
魂は呼応する 重力に逆らって
霊的世界で共に存在する
塀が高ければ乗り越えれば良い
朽ちては骸骨 馬の骨 しかし
魂は永久に
優しい眼差しと混ざり合う
上昇気流に乗って 遥か
落下しても尚上昇し続ける
見て この美しい無垢な塊を
ニヤニヤしながらリズムをとり
無抵抗な生き物 じっと観察
頭の中が同調する事実
夜風がもうすぐ秋を連れてくる
早とちり 未知なコウロギ
ピョンと腕の上 灯に映えて
大きく大きく深呼吸
忘れ物 また明日の顔に乗る
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