心感デッサン2019.9.26
2019.9.26
心感の雨は
ひしひしと 滴と成りて
白紙にポタポタ落ちる
其はもがいても 拭いきれない虚無
あの帽子をくすぐる風達も
空一面に這う消え行く白竜も
先々で目覚め
慌てふためく小さな虫のアーチも
腕を伸ばせば すぐ其所に
キラキラ輝き放ち 魂の離脱時に見た
あの爽やかな夕暮れのよふに
何処までも飛べたのに
潜めた声の向こう側に
いつの日も 次元を超えた
神様の秘めた宝物に気付いて
未来を呼び覚ます沈黙の灯
流れてきた一足の靴
濁流にのまれて消えていった夏
いつまでも いつまでも
眼で追っていた
今なら思う あのトンネルの
脇に棄てられた空き缶
明日の行方も解らぬ暗がりで
名前を呼ぶのだ 『忘れないで』と
悲しみと空虚が右腕を襲う
無意味に遊ばせる指先
だから存在を問うのだ
何処に行けば火を起こせる
ひとつの命
砂糖水を欲しがる燕の雛 戯れる幽霊
どれも 帰る場所を探している
私の 貴方の 間隣に平行している
私は力不足だから
魂をひとつの小川の
流るるがままに
乗せる事しか出来ない
いつか、いつか 到達したなら
光を放ち 弱い儚い者に
寄り添うことしか出来ないけれど
力強い入道雲 雷雲のよふに
怒りを放電する自信もない
じめったい岩の部屋に籠り
声を涙に変える術しか無い
カゲロウよ 光に添え
私もお前さんの跡を
尽きるまでついていくから…
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