心感デッサン
2019.10.6
鼓膜の周りにスペースデブリ
其所にはもう灰色群落だらけ
お弁当も小便臭い 濡れたタイル
染み付いた内臓の跡形
選んだのだ 敢えて 選んだのだ
頭を空っぽにする術を
体内の水分がぼたぼた垂れる
引力に沿って 無機物に染み入る
何百 何千のくるぶしが
波に飲まれ駆け降り上がり
静寂に飲まれたい ガラクタの中でも
胎内で無心に眠りたい
孤独者の歌は ひとり鳴く
鳩よ 何故 怖がらぬ
こんなにもガラガラと
音を引きずって跡を追うのに
目覚めもない 沈殿もない
ふと 隙間空を覗く
誰かのほだつほこりを
ひとつひとつ 眼で睨むのだ
労働を燃やせと云ふ
私も貴方と同じだよ
『現実』から零れて
『夢』に生息する種族 貴方は幸せだ
2000年も経った頃
お蔵入りしていた詞の化石が
学者さんにより 虫眼鏡で 顕微鏡で
発掘されることを信ずる
もう少しで 唄えるよ
コロナの唄を 一万二百
鳩のちょこちょこ回る足元に魅とれた
可愛く貪欲な程の足取りに
もういいかい
もう少しだよ
旅立つまで あとちょっと
ラララ 何時でも
空に穴を開ける日を待っている
手袋も穴空きの靴も棄てて
肩を叩いて
上の空で こんなにも微笑むから…
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