心感デッサン
心感デッサン2019.10.21
一等星までも見えないが
惑星の形は天のさざ波千切れ
ゆらゆら静寂漂う 宵の海の形で解った
泥地に笹の木囲い 四本
しめ縄揺れて その中心で神に近づく割り込んだ儀式 酒盛したいな 皆息を潜める その中で
子供の目のまま 世界を見た
心に生えたトゲ 痛くて
涙が自然に溢れてくる 私は姿を潜ませた 其が生きる術だと知った日
重い魂 此処に有り 内臓を汚す
木霊は私に心感と成り 反響して 虫眼鏡で屈折し 光よ 声よ 音よ 私の中で繭を破り新しい命 芽生えよ
筆を隠蔽すると 無性に恋しくなる 其が本心なら 私はまだ虫の息の『芸術家』
それも虚無ならばと 睨んだけれど やはり最期は空に成りたいと願う
夜な夜な漆黒に向かって
ブランコをこいで 爪先だけ紅く色づき 揺れる度 夜空の一番星となった 彼処に行こうと 届くと信じて てっぺんまで
祖父が掘りごたつに座り
割り箸で太鼓のリズムを刻む
私は鳴らない横笛を合わせて
毎晩部屋は小さなお囃子だった 無条件で 豊かだった
鈴虫もくつわ虫も踊る
壁もない 屋根もない 畳も消えて
夕の秋風 雷だって ひれ伏した
全て 光輝いていたのに
今では透明なヒトの溢るるばかりの ため息 笑い はしゃぎの中で 浮いた肉体 活動せねばならぬ 此が世の罪償いならば 頭を垂れよう
魔法など信じてない 頭が水銀体になり
いつかは真っ赤に膨れ上がって
破裂するのだから
ビリビリに破って棄てた私のガラクタ
嗚呼、もう一度欲しい時空があるなら
それは幼かった私が見て感じた
あらゆる森羅万象である
其所には自然の恩恵と恵みと育みがあった
穴から覗く 窓辺に散らかった憧れがある 死んでいった者達
さ迷う夢の空白 聴こえる…
望んでも望みきれない
果てなどあっても辿り着けない
最期の願いだ…
其が私の終世であれば
貴方と手を取り合って 連れていこう
あの 空の果ての入道雲の彼方までも
どこまでも一緒に…
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2019.10.22 00:31