心感デッサン
心感デッサン2019.11.4
-11月-
届かぬ何千キロの
巨大で自由気ままな綿々は
目深真上 ギロリ灰色の腹を翻し
我が物顔で泳いでいる
この枯れ葉に乗ってコロナは
優しく白光を万物に捧げ
ふわふわの群れは澄んだ秋色の臼青に
流れ流れてひとくさり
まるで途切れては打ち寄せる
さざ波の断片のよふだよ
襟元 細やかな冷風くすぐる
ひとつ 目映い光に
漆黒の 目覚めて飛び立つ烏
陽に憧れ 止まず戯れて天に散る三羽の雀
時を消し 何もかも鮮やかな雨上がりに吸い込まれて
けふはクロマニヨンに成り損ねる
なんて格好いいのだろう
銀の翼に風を感じて 自慢げに空を斬り
けふは喜びの讃歌だ
不仲もなく鳥たちは青に己を主
張し遠く近く羽ばたく
ゆーら ゆーら
普段は恐かった どうどうとした竹藪も
色彩を帯びて 手招きしている
生命の生まれ滅びる小坂
五段 六段 かけ降りた
募った落ち葉がかさこそ避難する
燦々 顔に体に心感に照らせ
此の盛装を全世界とせよ
穏やかな心象よ溶けろ
一体化せん
耳の奥をすませてごらん
さすれば小鳥の話も聴こえよう
緩やかな日射しの唄も聴こえよう
季節の行方を告げる風来坊
風の囁きさえも…
嗚呼、私は此の大地に二本足で
地を踏み 全てを飲み干すのだ
貴方もそうだったよふに
私もそうであるよふに
寒さを感じ 暑さを感じて
幻から覚めじ
今 此の胸 破裂せん…
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