心感デッサン
心感デッサン2019.11.6
-夕刻-
茜色に山が黒々 遥か近くに
どうどうと迫り生きはじめた
下弦の月は側面だけ淡い光を帯びて
そっと夕暮れ灰雲に隠れ
臼青と紅が交わる狭間
巨大ヒラメが殺伐と
プカプカさ迷っていた
電灯の中まで蜘蛛が影に巣くう
私の心拍数は115を超えた
日々身体を蝕む未病
いったいあと何度呼吸をしたら
此の世に何を遺すだろうか
闇夜に ぼうっ と意思表示する
公衆トイレの灯り
誰も振り向かぬ
寂しげに佇む自動販売機
今日を締めくくる 交響曲
此処に在り
-日射-
チクリ刺さる針が痛い
赤トンボ目の前に現る
しばらくしてにらめっこの後
私が勝者となったのだ
四角い窓に流れる反転した
真っ青な秋空と流るる枯れ葉の群れ
只 一篇の風物なり
ふつうの鴨が五羽
寒き日々羽毛を蓄えて
丸々膨らんで フワフワ水の上
君らみたいに成りたいな
靴を遊ばせる 汗が吹き出る
北風は笑いながらコートを脱がせた
コロナはここぞとばかり
主張し自慢気だ
蛾は遊ぶ 羽虫キラキラ舞う
ミミズはひっそり声を潜めた
私は明日から手足足枷の身
叫ぼうにも声が詰まる
貴方は待っていてくれますか
会えずとも求める心象
銀河の果てで存在し得る
サイダーを持って逝きます…
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2019.11.06 18:56