心感デッサン
心感デッサン2019.11.16
-善悪-
暗闇が我が心象を
弄ぶよふに黒い道と平行し
炎の行き先を邪気へと導く
狂犬ガヴガヴよだれ飛ばし
牙を剥き取っ組み合い
私は剣玉の赤を滑り落とし
コロナによって変幻する
枯れた猫じゃらしが黄金に成るのを視ん
軒先直角の白金
目眩ましケタケタ笑ふ
木漏れ日は優しい演舞をし
故郷辺りの浮かんだ雲は
もうすぐ此処まで来るだろう
凍てつくとんがり四つ
喰らいつく幼虫 何処消えた
ストーブの仄かな赤
死人の顔をうすら照らす
鼠もへばりついて
温かさに身を委ねている
此処だけは何も変わらず平和だ
トンボ眼鏡で大空を臨む
胸がドキドキする 脈が速い
秋虫達も 既に リンとも鳴かなくなった
冷えた痛い地面が
日に日に硬くなる
忘れ物は沢山ありき
重たい荷物は 置いていかん
破裂しそうな心感 此処に在り
私は苔むした ひとつの動じない 岩に成るのだ
何億年かけ 雨に打たれ
日に照らされ 濁流に巻かれて
静かに悟っている
削られ 剥がされ 最期に残った大切な物を持ちて
やっと我、逝くべき場所へと帰らん
各々と共に共存する灯へ…
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