心感デッサン
心感デッサン2019.12.12
-am4:00-
背中を押す 朝焼けのノックは
青白い頬を リンゴに変える
渡り鳥はまるで 時を知ってか
ピーヒュンヒュルルと囁いて
冬空を割って 夏色が顔を出した
雪虫戸惑い あたふた縮こまる
ピエロは季節を忘れた処に逝った
もう其処は 天竺だから
早いか遅いか 血まみれになって
止まった正確な人工物の蛍に問いてみる
固い土にめり込んだ小石を踏んで
其の答えを必死で求めた
此の世の仕組み 死んだ魚の目がはびこる中に生まれた使徒を
神様が送り込んだなら 何故
四肢先端まで御守り下さらぬのか
見慣れた坂道を 枯れ葉は避けて
一歩を譲る 赤 黄も色褪せた
もう羽虫柱も アメンボも
すっかり冬仕度 消えてしまって
蛙は瞼を擦って寝床から出てきてみるが
またしょげしょげ冷たい土穴に戻っていく
夜空に空洞が広がった日
私はありったけの角砂糖を放った
死の淵がまだまだ見えぬ中で
刻一刻とその道筋を歩む
青い梅の実に成りたいな
ある時期になるとポタリと落ちる
私は配管 其が使命 ならば
彼の人に生命を注ぎ込もう
愛しき血肉を分けた人よ
此の身滅びても尚 魂は
花の咲き降る永遠の青空の彼方で
我 待ち焦がれん…
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