心感デッサン
心感デッサン2019.12.16
-糧-
薄青が彼方 永遠に広がる時
白き水彩絵の具を流した様
見上げれば誰も奏でぬ
グレゴリオの旋律が 歩調で揺らぐ
私はまるで 自然の代名詞
リズムを刻めば天辺の笹達も踊る
そんな浮かれた日々も束の間
謎病の淵に落ちたのだ
青が 緑が 褐色が
全て透明になってしまった
特効薬もなく 内臓が身勝手に
激痛と云ふトゲに変わり
振り返りもしなかった 米の一粒 有り難く 噛み締めて頂く
小さな命をなげうった生き物の
大切な涙を恵みに感謝し糧とする術
いつか また 晴れたなら
口いっぱい開けて
澄んだ青い砂糖水を
沢山、沢山飲むでしょう
また たくましい生命を保つ
少しの野草の泥を洗い つましく噛み締めることだろふ
ひとつの命が
また貴重な命を食らうと云ふこととは
そのよふなことなのだと感ずる
其所に価値などつける権利は誰にも無いのだ
今日も凍てつく風が背中を押す
病床で 窓からは柔らかな光が
天から私に優しく『生きろ』と
手を差し伸べるのである…
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