心感デッサン
心感デッサン2019.12.25
白き水彩絵の具が
玲瓏の青に線を滲ませた
歌う風に矢印を吸い取られ
爪先が右へなびく
爽やかな褐色は
影に飲み込まれ深色に変化す
白目に扇の鋭い光が
貫く暖かなよれた波動に 羽虫発光
気圏をすいすい泳ぐ遥かな烏
腹をギラリと翻し 一筋道を往く
無数の鱗が一定リズムで
未知の大河へ身を 微塵に赤裸々に
しがみつく三つの赤は
季節に逆らい生命尽きた先に運命を委ねる
安心水に沈黙する
浮遊した不思議な群れ達 本能電波に執着
コロナと真正面 向き合いさすらひ
がさつな風来坊 此処に在り
その光の恩恵を受け 歩かない生き物に
艶やかな星屑がばら蒔かれた
数本のホウキの先は右ならえ
すっかりゆらゆら 冷気に根負けし 色を失って
濃い空を落とした 彼方の山並みが広がる はっきり現れた鉄塔に心惹かれ
不安な暗雲に向かう
夕陽に背中を押されながら
真っ黒な背い高のっぽの
我、分身が地面にへばりつき 歩調重なる
カラカラな喉の奥を掻きむしり
このよふな 世界の裏側は 何故こんなに沈とするか
暫く どうどう迫る黒山に
飲み込まれ縮まる暇も無し
鼓膜に響く心感を薪とする
音楽にざわざわ煽られ
頭蓋骨の割れ目から覗く異次元
負け犬 仕切られた世で威嚇
『アブサン二つ』は死しても成らぬ
私は誰でも無いからだ
現実と 感性の狭間で
絶えず呼吸する肉体借りた魂
叶うなら 唯一無二の貴方に
青空の発祥にいざなうべく
私は 手を取り 同一の場所へ
共に 連れて参りましょう…
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