心感デッサン
心感デッサン2020.1.15
-『B』-
鉛色から 予想外の泣き止まぬ涙
魂は恵みか悲しみか
刺さる鉄格子群 波動は歪み
生命エネルギーの放出沈黙
健全 不健康も飲み込む
血の彩 『B』 に 真面目に翻弄
しぼむトンネルに 四肢引き千切られ
驚いたり 悩んだり
時は、機嫌をコロリ直した
青の中 沸き立つもくもくに
目隠しされたコロナの瞳が
突き破ってギロリ睨んでは
ビカビカ光り 寒気飛ばす
安堵の渡り鳥は 寄り添い眠り
湖面の波は樹林に交響し
万華鏡に成りて 玲瓏の網が
ゆらゆら どこかしこに漂う
指先には 三切れのパン
この世の全ての 食べ物
淋しい犯人が溢れる 此処は
血潮と細菌 救世主の修羅場
箱の外へ ハチミツ求め
ふらふら 強がり 胸を張る
ガラクタ収集してきた日々
支離滅裂な回り道を振り替えり
ふやけながら 陽炎の向こう
微かに『ほんもの』が見えた気がした
不格好な着ぐるみを 全て脱ぎ去り
ひょろひょろ、其処には凛と立つ真実
黄昏に 魅入られる 幸せ
朝焼けを 飲み込む 息吹き
しげしげ 黄緑の皮膚を
眺め 訳もなくニヤニヤして
もう 急下降した後は
目覚めた羽虫に 希望を託し
卵は割れて 初めての肺呼吸
新しい今日が 今、生まれる
人生の刻まれた宿命を
『うん』、とうなずいて
ありったけの 森羅万象よ
宇宙の波に 乗って
世界中に この命 降り注げ…
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