心感デッサン
心感デッサン
2020.8.25
季節 踏み遅れし 蝉の腹は
屍 成れど
『いざ、身体 燃ゆれ、
我、太陽の子 為るぞ』
其の 嘆願は 沸々と
陽炎に 姿を 変え
こんなにも 天に 召される
儚き 夢の 魂 よ
お前達は 見下ろさず
朝夕 謳ふ 秋風を
そっと 呼び入れ
故郷で 開眼し 一面の 緑が
赤 や 黄 の
移り往く 色彩 は
複眼レンズ に どう 映る
受け継ぎし 秋虫達は 無言歌 語らん
いつの間にか 背後に
雷雲 頭 を 覗かせ
高く 真青 に 立つ時
ザワザワ 靡く 爽風 は
交響 薄れ 沈と 寂しく
掠れよう 散雲 を 呼び
わたくしは
節目 持たぬ ものを
此の 指で
天 を 目指し
一本 の 心象 真っ二つ
線 を 引くのだ
小さき 子蟻が わらわらと
我が 褐色の 腕で 遊ぶ
土から 全てが 生まれ
各々の 火花 散らし
何時の日か 聖杯 の
碧 に 行き着けば
其所が ほんたふ の
幸ひたる 光 の 地 なのか…
わたくしが
誠 の 旅路に 着いたなら
純白 の 真実 なる 鐘を
皆に 生命に 届けやふ
『此れぞ 我 ひとつ の 詞
後世へ 記さん』
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