心感デッサン

心感デッサン
2021.12.2
by frogmorton  

"月々に 月見る 月は 多けれど
 月見る 月は 此の 月の 月"

宵山 恋しく 夢 現
 古月 淡く 山裾 朧に

懐かしき 寝床の 窓から
 幾年 眼にした 景色

其れは 温かい 祖母 の
 匂い と 等しく

冬至 近づく こんな 日 に
 故郷 の 空に 浮かぶは

真っ朱 を 放つ 夕暮れ と
 頭上 にて 淡い 群青

灰色煙 の 隙間に
 瞳 奪われし 光る 一番星

白紙 に 一本 線すら 描けず
 遊ぶ 右手を 沸々 恨めし

夜風 染み入り 息 白く
 此の 命 欲する 方々 へ

散らばり 届け と 願えど
 まだ 呼吸は 止まず

収縮 された 優しさ を
 振り撒けば 其の 虚しさや

走っている 時は がむしゃらに
 ふと 立ち止まれば

(私は 何処へ 向かっているのだろう)

神経が キリキリ きしむ
 辛い 辛い と 哭いている

此の身 日々 も 無く
 安堵 の 地 を 求めてゐて

現世 を 目 に 宿し 遺すのは
 只 空しき 事象

悟りし 心中 は
 潤む 眼で 宵月 に 魅かれ

影射す 顔に 真実 を 視
 今夜も 手 を 合わせる

声が 届かぬ 枯れ花々 よ
 季節に 従う 耐えし者達

此の 私 を 許しておくれ…

晴れて 飛び立つ 時には
 必ずや ひとつ と 成ろう

"此ぞ 我が 願ひ なり"
   
 
 
        
    
  
 
        

art chacrol and peam gllary

絵も詩も芸術の全てとして向かいます

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