心感デッサン

2019.11.8

鉛の天が目まぐるしく覆いかかる 
ポツンと独り灰色に溶けて
 纏まりつかない哀れな性分を
己の涙 風景に滲み

産声をあげた時からそうだった
 僕は誰にも愛されてなどいない
 ほんの少し春風を感じて

其も一時 夢と現に まことを視ん
 あの夏の夜も 春の息吹きの
瞬間すら 皆が見つめる花火の隅 
線香花火の沈黙に死す

天気はころころ変わり
 僕はただ耳をもぎ取り
口を縫ってしまおうと
 常に思うこの心象は

僕は只 黒い山の杉木の天辺で
寂しく、寂しく、哭くのだ
何故産まれてきたのか
 誰に此の声が届きよふか
 
罪も無き 思春期
 マジックで黒く塗りつぶした
何もない 今も また同様と言えようか
 何の罪償いを僕は…

たとえば僕が死んだら
 屋上で泣き崩れる君のよふに
電車の下に潜り込む貴方のよふに 
手首に刻印を刻みたい

糸杉の意味がようやく解った日
 烏の群れについばまれる
気がふれて 秋は尚濃く
 時よ 暗闇よ 僕を照らせ

いっそうもがき苦しめば
 此の世界からは安堵が訪れ 
僕もまた
暗い世界に逝くのだが

誰でも良い 独りぼっちの
 僕を忘れないでいて
散々じめったい祠から産まれて
 誰にも見向きもされぬ

宇宙塵の散りになりても尚
 光を帯びよふとする

憐れなヒトと云ふ
 この世界の端っこの

たった一つの埃の1滴を
忘れないで…
 
必ず僕は逝くから…
      
                

art chacrol and peam gllary

絵も詩も芸術の全てとして向かいます

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